なるほど…「胸騒ぎ」は言い得て妙な邦題なんだな。
デンマーク語のタイトルは「ゲスト」、英語タイトルは「悪口は言わざるべし」。
この邦題は、現代人は直感が鈍くなっているので、なにか「胸騒ぎ」がする時は、それを信じたほうがいいよーと言うことかな。(本編の中にもそう言った会話が出てくる)
意外に現代社会を皮肉ったテーマが隠されている気がする。
平和主義なデンマーク人の夫婦がイタリアの旅先で出会った気さくで陽気なオランダ人夫婦から家に招かれ週末を過ごす。
最初は気が合うなあと思っていた人が付き合っていくにつれ、価値観とか生活習慣とかの違いからギクシャクすることはよくある事。夫婦ですらそう言うことはあるからね。
そして、この2つの家族は、お国柄も違う。ほんの数日を一緒に過ごすだけなので、旅先で意気投合した延長線で楽しく過ごせるだろうと考えるのもありがち。
そこに大きな落とし穴がある。
ただね…わたしは、イタリアでの場面でなんとなく思ったよ…
子供は親の鏡だと。
だから、子供がきちんと躾けられているとか、親との関係性に問題がないように見えるかとか、その辺はひとつの判断の目安になるんじゃないかな…って。
ハネケを意識したようなオープニングとか、静かで淡々とした張り詰めた感じとかが絶妙で、観てる側が半ばどっちもどっちなとこあるよなぁとモヤモヤするのも計算ずく。
その違和感がはっきりとしつつ…終盤怒涛の胸糞が押し寄せる…
いやー、怖かった!凍りついた!🥶
そしてやっぱりハネケの「ファニーゲーム」にも通じるような抗えない絶望感とそうなるしかないんだ…と言うカタルシスにも似た感覚。
ホワイト社会と言われる現代。それによって脆弱化する人間の危機感覚とかに何気に警笛を鳴らしているような映画なんじゃないかと感じる。わたしは、現代のホワイト社会には抵抗を感じているような人間なので、胸糞だけどどこかスッとするのかも…
ヤバいのかな…自分😅
本日、いちばんの胸糞は、オープニングの最中に遅刻して入館した人が同列の席に座ろうと目の前を右往左往したおかげでこのオープニングシーンが半分は見えなかった。そしてその人は、結局座らず今度は出たり入ったり…その関係なのか、映画館のスタッフも出入りが激しく、極め付けに最後尾が小声で話し始め、近くの人が「静かにしてください!」ときっぱり!「ありがとう〜👍」!
ほんと、狭い映画館での遅刻とおしゃべりはしないで欲しい。