日下勉

胸騒ぎの日下勉のレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.8
イタリアに旅行の際に知り合ったデンマークの夫婦とその女の子とオランダの夫婦と喋れない男の子。旅行先で親しくなり家に帰ってしばらくするとオランダの家族からデンマークの家族へ終末遊びに来ないかのお誘い。喜んで行ってみると、なんだかいろいろ違和感がというところから始まり、その違和感が大きくなっていくけど、オランダの夫婦はいろいろ言いくるめてなかなか帰さない、そして。という人怖系の心理的ホラー。
この違和感がいろんな所に顔を出し、気まずさになって行くのだけど、こんな会食は嫌だとか気まずいドライブとか、扉の無いトイレとか、いろんな小さな嫌なことの不条理コントを見ているようで、なかなか楽しめたが、やはり最後の結末はあまりに嫌な気分にさせてくれる。
このオランダの夫婦は表面上は親切に見えて、次第に人との距離を浸食してくるところは、有名な北九州監禁殺人事件の松永太を連想させる。
嫌な映画を観たけど、面白かった。

デンマークの夫婦との会話の中でスウェーデン人をおちょくる会話が出てくるのだが、ラース・フォン・トリアーの「キングダム」でもスウェーデン人が徹底的にバカにさせていた。デンマークとスウェーデンって仲が悪いのかしら。
日下勉

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