せいけ

僕らの世界が交わるまでのせいけのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
4.3
初監督作にしてジェシー・アイゼンバーグらしさを感じさせる時点で勝ち
改めて自分なりの指針によって作品選びをしていた俳優だったんだと気付きを得る機会にもなるという珍しい映画体験だったのかも
映画の内容はというと思春期を迎えた息子と母親の普遍的な物語
それぞれがそれぞれなりに築き上げたものとそれゆえのプライドが空回りしていて共感生羞恥のような感情が込み上げてくる
客観的に見ればそろそろその辺でと超えちゃいけないラインはわかるけど、この2人は自分の世界を作るわりにというかだからこそ他人の領域には踏み込んでしまう
そのような人物との距離感を扉や、物理的な人物配置による演出で見事に表現している
音楽使いと編集のリズムも独特で痛々しくも心地よい面白さが途切れない
題材選びは初々しいけど、監督としての手腕は既に確立されているのでは
今後の作品も観てみたい