ペンギン侍

ザ・ホエールのペンギン侍のレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.9
いつも「ごめん」が口癖の主人公。そうならざるを得なかった理由から過食に走り、“おぞましい”体型に。余命少ない巨漢男が、最後の清算をしていく。

それぞれの登場人物の「救う」「救われる」「救われたい」「救いたい」が交差するストーリー。人生に絶望し誰も救えないのではなく、ふとしたことで誰かを救えるかもしれない。救いたい、救われたいという想いは純粋で尊いけど、それが誰かを必ず助けるとはかぎらない。

場面はほぼ変わらないのにスケールある演出はやっぱり主演ブレンダン・フレイザーのおかげだ。泣きすぎてしまってびっくりした。
私も「お前は最高だ」と言われたい。私も親とうまくいっていない人間だが、エリーのようにぶつかっていいのかもと思えた。

ふだんなら、娘を捨て自分本位に生きることを選んだ父親を嫌悪するが、どうしてかラストシーンでは涙が止まらなかった。
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