ぴあのちゃん

ザ・ホエールのぴあのちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

かなり個人的な感想しか書けないし長いから書くのやめよーと思ったけれどいつか見返した時にもしかしたら役立つかもしれないし自分の為に。

見終わった後はふいをつかれたような感じでしばらくぼーっとしてた。
8歳で娘を捨てた父親、捨てられた娘。捨てた父親の娘への気持ちのぶつけ方がとてもとても既視感のあるものだった。私はどうしてもエリーの立場になってこの映画を観てしまった。その結果、なんだろうこの気持ちは…アレ?となった。私にも重いフタを閉じている感情があったんだと初めて知った。何度も打ち砕けて泣いて自分の真っ直ぐな大切にしてた気持ちを裏切られて、父親もただ1人の人間なんだと諦めたのか悟ったのか捨てたのかわからない感情。
出だしで自慰行為から始まるけれど、この愛情はまさしく自慰行為。夫婦の上では違うかもだけれど親子の上での愛してる、大事にしてるの言葉は嘘っぽいと再び思った。私の中では、親子と言う血のつながりがある中での本物の絆はそんな目に見えやすいものではない。毎日怒られてぶつかりあって、それでも親と離れた時に、あれは愛情だったのかもしれないと思うような、そんなもの。(自分が親として自分の子供にしたいとは思わないけれど)

とにかくこの父親のセリフは聞いた事がありすぎてこの表情も、態度も、全部全部いやだ。父親を否定したくない、寄り添いたい、でも寄り添ったら裏切られるんだよ。こうなってしまった人は自分の方を向く人ほど大切にせず、離れていくものに固執する。ずっと幻影を追って現実なんて見てくれないし見れないから。だから、子供からすると離れなきゃいけない。苦しくて、本当は貰いたいものも諦めなきゃいけない。
エリーの苛立ちが手に取るようにわかった。

でも、見せかけでも、最後のシーンはエリーの心を救ったんだとブワって心が不思議なものを感じた。
私は後悔するのだろうか、とも思った。
まだわからない、わかりたい、
でもわかれない。
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