YukiHomma

ザ・ホエールのYukiHommaのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.0
恋人を亡くしたストレスからの暴飲暴食で270キロ超えの体重になってしまったチャーリー。補助器具なしでは立ち上がれない程の巨大になってしまった彼をブレンダン・フレイザーが演じる。立ち上がった姿はまさにクジラを見たか時のようにデカすぎる生物への怖さを感じた。娘役エリーのセイディー・シンクからキャスティングと演技力の噛み合い方が良い。確かによく見るとこの2人の顔はよく似ているように見えた。エリーのキャラクターの余白の描き方が良かった。エリーはチャーリーのことを心では助けたいと思っていても過去がそれを許さない。チャーリーもそれを分かっている。
チャーリーが間も無く息絶えようとする瞬間にまるで赤ん坊かのように見えてくるラストにカタルシスは確かに感じるが、似た様な演出を既にピクサーの『ウォーリー』が嫌味なく当たり前のように描いていたので『ザ・ホエール』では“これがやりたかっただけ”感が目立つ。結局自分と親の関係だったり自分の性格によって許せる許せないが変わりそう。
静かめな作品ではあるけど個人的には音楽含めもっと静かな方が良かったと思う。ダーレン・アロノフスキーの作品を見るたびにダーレン・アロノフスキー作品たらしめている要素がいらないなぁと思う今日この頃。
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