Keira

ザ・ホエールのKeiraのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
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オスカーを受賞したブレンダン・フレイザーの演技が見たいのと、単純にストーリーが気になっていたので鑑賞。

普段、演技の上手い下手をあまり識別できるような人間ではないのですが、結果、本当に素晴らしかったです。演技だとは思えません。
ホン・チャウ(リズ)とセイディー・シンク(エリー)の演技もすごくリアルでびっくり…

この映画を見ながら、肥満症に対する偏見と実態を思い起こしました。
よく俗世では、肥満体型は、自己管理ができていないことが具現化されているのだと耳にしたことがありました。
しかし、肥満症になる人の多くは、彼らが受ける過度なストレスなどに対して、精神的な拠り所が食べるという行為なんだとテレビで見たことから、私自身、肥満症に苦しんでいる人たちへの偏見は解体されました。

チャーリーはその辺りはよく肥満症患者の実態を表していたのではないかなと思います。恋人を亡くした過去を持ちながら、何気ない日常生活において他人に拒絶されたことで、無我夢中で食事にその感情の全てをぶつけるシーンは、こちらがかなり心配になるくらい。

しかし、チャーリーの前向きでいようとする姿勢と人に対する優しさと希望…
それと反対に人々が送る彼への視線や反応がとても心苦しかった。

それでも彼が信じ続けたことは、娘のエリーと親子としての繋がりが起き、彼女の人生に大きな影響を与えることだったのかなと思います。ラストは言わずもがな涙でした。悲しいはずなのにとても清らかでじんわりと尊く、暖かくて穏やかな気持ちに…


宗教的なところでは、ふんわりとした知識しかないので、白鯨との関係性等は、皆様のレビューや解説から勉強させていただこうと思います。不勉強を実感中…(笑)
Keira

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