ダーレン・アロノフスキー監督 A24 キノフィルムズ U-NEXT
映画友人カタパルさんからのオススメで、観ました。
Webの講座で生徒に対して講師がエッセイの書き方について話していますが、講師のカメラは壊れているのか?映っていません・・・というのが冒頭です。
ブレンダン・フレイザーさんが主演なのですが、私はこの人の映画を初めて見ると思います。
基本的に、私は家族の話しが、それもアメリカ映画の家族の話しが、あまり好きではありません。ハリウッド映画で言う家族愛の話しは、そこまでして存在を肯定しないと崩れかけない状況にある、という事だと思いますし、血の幻想はとても強いと思います。もちろん全世界的にそうなのですが、血脈という幻想があるように思われます。
家族最高!
という事にしておかないとイケナイと思い込もうとしている、という感覚を感じる、という事です。
ちなみに、うちの国だと、殺人事件は家族(親戚含む)間で4割強で最も多い数字です。
今回はキリスト教徒の中でも全然よく知らないニューライフという団体も出てくるので、これも良く分からないままに観ましたけれど、終末思想に特化しているようです、なんともよく分からないのですが。
脚本、恐らく、主人公であるチャーリー(ブレンダン・フレイザー)に共感出来れば、味わい深い感覚もありますけれど、ちょっと違和感あります。
また、演者はどなたも凄く良かったのですが、チャーリーの唯一の友人であるリズを演じたホン・チャウさんが、凄く良かった。なかなか看護の雰囲気を出せる人っていないと思います。ミッシェル・フランコ監督作品「ある終焉」のティム・ロビンスは完璧だったと思いますが、今作のホン・チャウさんもかなり良かった。
でもこの人が出てくるだけで、アレキサンダー・ペイン監督「ダウンサイズ」の中の8つの話しを、どうしても、思い出してしまいます・・・
もし、自分が死の床についていて、希望があり、それが叶えられるとして、それで行動を起こす。ささやかだけれど、行動を起こす。
しかし、当然これまでの積み重ねが自分で、その行動の余波を、他者は受けていて、その結果、自分との関係性が発生していて、発信者と受信者で考えが違うわけで、なかなか難しい。
非常に恵まれた男の話し、とも言える。
ネタバレ無しで話せる事が少ないのですが・・・・
いつか、だれかが、私と会話している時に、やむにやまれず起こした行動に意味がある、という発言があったと思うのですが、だいたいにおいて、やむにやまれず行動を起こしていても、どうにもならない事って多いと思っています。
関係性に興味のある方に、オススメします。