「すまない」
「何に謝ってるの?」
「ごめん。何となく すまない」
主人公チャーリーは、自分の犯した罪に対してか、ずっと謝っていた。自分を許せず罰するかのように外との繋がりを断ち、過食を続け、わざと命を短くしているようにも見える。
自由に動けなくなった彼の目の前で、1日に何度かドアが開閉される。怒って出ていく人が力まかせに閉めるドアの向こうは、いつも暗闇か雨だった。そのドアを見つめることしかできない彼はどんなに苦しかっただろうと、こちらの心もギュッとなる。
最期を迎える彼に、親友のリズが「下で待ってる」と言いながら開けたドアの向こうは晴れていた。娘のエリーが「パパ」と呼び、ようやく彼を許せた瞬間は光が溢れ、遠くには海が広がっているようにすら見える。
光と影の使い方が秀逸だった。
息づかいや眉間のシワの寄せ方など、本当に272キロあるんじゃないかと思わせるブレンダン・ブレイザーの演技がすごい。
ホン・チャウの怒りと悲しみが爆発寸前なのに、やっぱり親友だから愛情が1番大きいのが痛いほど伝わる、見事な演技に泣かされた。
お互いが、あと少ししか一緒にいられないと分かりながら、ただこちょこちょとくすぐり合って笑ってる場面が、とても可愛い。
大好きな作品になった。