かなりダーレンアロノフスキー的演出だった。
以下長文:
ピザ屋のダンという登場人物がかなり強烈に印象に残る。一生忘れないくらい。ダンは全ての人間を象徴する存在なのでは。
相手が困ってるかもしれないから気遣う、親切に声をかける、っていう優しさを持ち合わせていて、それは時に相手の心の救済になったり、死んじゃいたいくらい辛いときってこういうことで思い留まれたりする。けどその人が同時にものすごい残酷さを持ち合わせてる。「わー、ダンめっちゃ良い人じゃん🥹そうそう、こういう一言で世の中捨てたもんじゃないって思えるよね🥹✨」って思ってたからその後の展開が残酷。でも本当に人間って(てかあらゆる万物って)こうだ。自分も他人もどこまでいっても多面的な生き物なんだって実感を持てた。だからTwitterとかでよくある「違和感のある人はすぐ切れ」みたいなハックも一概には頷けない。
私だって、誰かにとっても親切にしたと思えば他の誰かにはすごく冷たかったりもするんだろうし。私の親だって兄弟だって友達だってみんなそうだ。でも、その中でもなるべく多くの局面でナイスであろうと努力するのが「善人」なんだよな。”Do the right thing”も”Be nice to each other”も、どちらもすごく好きな映画の言葉だけど、それを体現すべく、日々修行のように過ごしていきたい。
ダンだけでなく、この映画の登場人物は全員、善人でも悪人でもないリアルな人間として描かれていた。特に元妻などは、怒りや不安に苛まれてるけど同時にすごく優しい人でもあった。
