きりん

ビリーバーズのきりんのレビュー・感想・評価

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.5
とある無人島で暮らす男2人と女1人。カルト集団に属し本部からの司令を実行しながら、安住の地を目指すため俗世の汚れを浄化する。やがて彼らの日常は綻びを見せ始めてゆく……
原作は山本直樹の同名漫画。未読。


議長(宇野祥平)
副議長(北村優衣)
オペレーター(磯村勇斗)

名前を捨てお互いにそう呼びながら、皆が顔文字プリントされたTシャツを着て瞑想、昨夜見た夢の報告、テレパシー実験と普通の人なら誰もが疑問となるようなことを当たり前のようにこなし生活する毎日。

しかしそれでもなんだか3人は最初ちょっぴり幸せそうでもあった。俗世間から離れひっそりと誰と接触するでもなく与えられた司令をこなす。そんな幸せもあっていいじゃないかとさえ思えて来る?笑

宗教、洗脳、欲望…は怖さと滑稽さが同居するような…そしてシュールでエロでシニカルな展開で、物語は異物が島に入って来たことによって崩壊へと突き進んで行く。

抑え込まれていた欲望。本来あってはならない秘密。閉ざされた空間ゆえに歪んだ愛がおかしくも表現されていた。夢に出てきたから実行するとか、言ったもん勝ちだしなぁ笑笑

何より凄く素晴らしかったのは副議長を演じた北村優衣の体当たりの演技。てか他2人も迫真の演技で魅入ってしまう。別の意味でも魅入ってしまう🤤
北村優衣にトゥクゥゥンです💕

オウム真理教などのカルト集団を連想してしまう本作だが、迷い弱った時に心の支え拠り所としてスっと入り込んでくる怖さはあったかなぁ。3人の背景がほぼ描かれていないだけに想像するしかないんだけど。

色んなものを失っていくなかで最後の最後に残るのはエロだったりして💕

ちなみに終盤 先生役で登場したのが原作者 山本直樹本人。
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