Uえい

ビリーバーズのUえいのレビュー・感想・評価

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.0
随分前に原作は読んでいて、エロ漫画にしては不思議な雰囲気があり、なんともカテゴライズできない独特な印象だった。予告を見た段階で原作そのまんまのイメージで期待していた。

オウム真理教的な「ニコニコ人生センター」という宗教団体の男二人女一人が孤島で奇妙な共同生活を送る様が描かれる。三人は夢日記を通して精神を強化する訓練を行うが、徐々に性的な衝動が抑えられなくなる。そして議長(宇野祥平)が副議長に(北村優衣)体の関係を迫り、おかしな展開になってくる。主演の三人とも魅力的で、シュールであり、エロであり、コミカルであった。カメラも対象をぐるぐる回る動きが多く、どう受け止めて良いのか混乱してくる。

そして最後、人民寺院的な集団自殺や、山本直樹お得意の日本赤軍の海外での事件などを彷彿とさせる展開が起きつつも、主人公のオペレーター(磯村勇斗)は夢と現実の区別が曖昧なままだった。夢と現実が区別できない終わり方は「インセプション」を想起してしまうが、こちらの方が身近に感じた。

原作はオウムの影響が残る1999年に書かれたが、なぜ今映画化したんだろうというのが謎だった。統一教会の問題などは確かに直近にあったが。
Uえい

Uえい