Tamiya

雄獅少年/ライオン少年のTamiyaのレビュー・感想・評価

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)
3.7
これが初めての中国アニメでした。まず感じたのが映像がとても綺麗といいうこと。背景に浮かぶ、自然や建物の映像は米国アニメーションにも劣らない素晴らしいものがあった。ただ人間の動き、表情、特に人間の顔を切れ長で吊り目というアジア人らしい表現は少し過剰な気がしました。それでも髪の毛の動きなど一本一本感じられるぐらい勢いを感じれた。
さて内容については、まず序盤が貧しい家のいじめられっこ子が、みんなを見返すために修行をして強くなるという、昔見たカンフー映画のようで、シナリオが少し平凡に感じられました。あと小刻みなギャグ表現も少し多い印象。
しかし、中盤から終盤にかけて中国が今も抱えているであろう、地域間格差の描写が色濃くなり、主人公のやりたいことがやむを得ない状況でできない葛藤、そして現実と向き合いながら、少年から大人にならなければいけない成長が臨場感を持って描かれ、どんどん飲み込まれていった。
そして、最後の大会では、また出会えたチームのみんなとともに「少年」の最後の輝きとも言わんばかりに大きなことをやりとげる。少年時代の熱中はただの思い出ではなくて、必ずこれからの人生で真価が発揮されるんだと思わせてくれるような映画だった。
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