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カリガリ博士のyoshimiのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
4.2
ドイツの代表的なサイレント映画。なるほどこれがドイツ表現主義映画か…と頷きながら鑑賞。とは言っても映画初心者の私にとっては難解とも言える内容な上に「表現主義ってなんぞや?」と謎ばかりだったので、この映画にまつわる技法やテーマを軽く調べてみました。

視覚的に見て分かる特徴的な技法として、人工的で歪んだ美術セットを採用しているそう。白と黒のコントラストを多用しているため、全体を奇妙で不気味に表現しているんだとか。もう一つ技法で特徴的なモノとして、大胆に誇張された影の活用を行っているらしく、影を大きく見せることで、心理的に恐怖心を与える効果を狙っているんだとか。確かに恐怖心を倍増させるような表現方法ばかり。

さらに心理学者フロイトの精神分析的な要素を含んでいるらしく、フランシスの妄想及び夢はフロイトの夢解釈を用いている!とのこと。

様々な技法や心理学的要素をふんだんに使っているから、当時としてはかなり前衛的だったのだろうなあ。最後のどんでん返しまできれいにまとまっていて観やすかった一作でした。
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