となりのとっくさん

杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦のとなりのとっくさんのレビュー・感想・評価

4.5
「満たされてないのが当たり前。」
草だって花だって虫だって動物だって、不満だってあるし、迷惑を被る事もある。
だけど、それらを全て受け入れて他者と共存共生している。
かたや人間は…嫌な事は排除し、便利だけを追求して、大量に物を作り、余ったら廃棄して、でも強欲にもっといい物を欲する。
改めて考えてみると人間だけなのかもしれない。
その代償が今の色んな災害になって返ってきているって言うのが、すごく納得できた。

矢野さんは本当にナウシカみたいな人だ。
「湖も川も、人間が毒水にしてしまったのを
腐海の木々が綺麗にしてくれているのよ。
その森を焼こうと言うの?
巨神兵なんて掘り起こすからいけないのよ!」
あぁ、ナウシカが言った通り。
矢野さんの考えの通り。

東日本大地震の後、巨大な防潮堤を造ってるって事に、ただただ違和感しかなかった。
それは、私が当事者では無いから分からない事なのだろうと思っていたけど…
この映画を観て、違和感の正体が分かった。

コンクリートは敵ではない。
うまく付き合えば、自然と人間の共生の橋渡しをしてくれんだ。
それが知れて深い深い安堵を覚えた。
まずは身近な所からやってみよう。


2022-87