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今夜、世界からこの恋が消えてものFのレビュー・感想・評価

3.5
本屋で必ず目につく「あの帯」系王道映画。

三木孝浩に監督させて、亀田誠治に音楽作らせて、月川翔と松本花奈に脚本書かせれば、そんなの観なくてもいい映画に決まってるんですよっていうくらい隙のない盤石布陣。それに加えて、当たり映画にしか出ないで有名な大天才女優古川琴音さん出演作品ならそりゃ観るしかない。

めちゃめちゃいい話だったし、お客さんのすすり泣く声がシアターに溢れるくらい文句のない名作、ザ心洗われる映画。
でもだからこそ、本当にいい話すぎて、なんか眩しすぎて一切入り込めなかった。この王道さと話の洗練性にはどうしても正面から向き合えないっぽい。周りが泣けば泣くほど冷めちゃうこの感じ、余命10年観た時と全く同じ感情になった。心の綺麗さが求められすぎて、自分の心の荒み具合が出過ぎて無理、本当に悲しくなる。花火のシーンとかもう観てられなかった。三木孝浩作品の光の使い方は観る人の心の綺麗さを試してくる気がしてしまう、こういう映画を観てちゃんと泣ける人になりたい。


古川琴音さんは言わずもがなというか、もう上手すぎて演技レベル1000みたいな圧倒さだった、本当に上手すぎるだろ、なにより声が好き。松本穂香もめちゃめちゃ上手かった。この2人、役をスイッチしても完璧にこなしそうだなって思う。ガチでストーリーを円滑に進行する上での装置でしかなかったメガネの人幸せになってほしい。

映像も音楽も効果音も素晴らしすぎて、こういう配給会社の本気みたいな、製作スタッフにもちゃんとお金かけてます作品って最強だなって思う。辻堂海浜公園とか見た事ある景色もよかった。

古川琴音の“やれる事しかやってないし、やりたい事しかやらないから” ってセリフめちゃめちゃ好き。
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