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NOPE/ノープのmocoのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

社会問題とか、人間とその他の生との対比とか、いろいろ描きたいことはバシバシ伝わってきつつも、一つ一つの描き方がありそうで今までなかったパターンばかりで、とても勉強になった。
調教すること・されること、これは暗に動物に対しての調教だけではなく、人間もまた無意識のうちに、調教させられている=何かに洗脳されたり囚われたりして、生きているよな、とそれぞれの人物から読み取れた気がした。
操れると思い込んでいたものの想定をあっけなく越えてしまう、そういう行動や出来事が起きてしまうのが、極々自然であるな、とか、作品だから冷静にそう思えた。でも自分もいろんなことに無意識のうちに囚われて生きてる。な、とか。いろいろ考えさせられた。

途中から謎の生命体に感情移入してしまって、謎に泣いてしまってた。
空飛ぶ生命体を呼び寄せる場面あたりは、音楽の使い方も相まって、とても感動した。
後半、展開や、音楽の流れや入り方とかが、とても『もののけ姫』とか『AKIRA』を感じて、そういう感動を勝手に感じてしまった。何か繋がりはあるのだろうか...?日本のアニメ映画を何かしら観たことがあるんじゃないか?とか。
あの、巨大な得体の知れないものを相手している間にある、待ちの時間(様子を伺って一瞬静寂になるとき)の音楽の感じ、本気で『もののけ姫』を感じた。というか、そういう作りの方が、ハラハラする場面ばかりを並べるよりも、もっとリアルで切迫感が出るんだなって、思った。
SFって思うのを一旦止めて、あの空飛ぶ生命体が、UFOではなく、生き物、動物って考えた途端、異物を飲み込み血と共に吐き出す行為や、人間とは違って意図して意思疎通をできないところとか、思うと泣けてしまった。動物...

人間は自分達が生物の中で一番だと思ってはいけないし、また同時に、「人間は自分達が生物の中で一番だと思ってはいけない」と思いすぎてもいけないんだなって。人間は愚かであり尊いな、とか。なんかそんなことを思ったりした。

あと、オープニングの、吸い込まれていくカット、音楽も、緊張感があってとても良かった。
とにかく、映画館の大きなスクリーンで観た方がいい。
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