そうめん

NOPE/ノープのそうめんのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.0
ホラー映画あるいはスリラー映画と言われればその通りだし、血も出るしビックリドッキリするシーンもあるけど、そこまでジャンルに寄ってはいない感じ。
そもそもタイトル「NOPE」は「ありえない!」という意味らしく、文字通り大風呂敷ひろげた壮大なホラ話であって、この(あえて言うと)バカバカしさこそ“映画”だよねと確信犯的に作ったのではないかと。
「ジョーズ」的な迫りくる恐怖と「エクソシスト」的な理解不能な恐怖が繰り出されてきますが、いずれも「んな、アホな!」というネタであるにもかかわらず、うまいこと成立させてます。ちょっと間違えたら大事故ですが、監督の力量を感じます。
ところで、本作は舞台設定からしてもハリウッド映画へオマージュを感じます。もちろん黒人のアイデンティティに通じるポイントも滑り込ませていますが、それがラストにかけての西部劇的なアクションとも連動していますし、この時代だからこそスクリーンで観るべき“映画”を作るのが、一番のテーマだったのではないでしょうか。
そういう意味でも個人的にミスったのはIMAXで観なかったこと。やはりIMAXカメラで撮影されているのであれば、IMAXの画郭で観るのがベストでしょう。チャンスがあれば是非。