いまさら鬼太郎？と思っていました。何度もリメイクしているし、話も大体同じじゃないのかと。それが公開直後から評判がすこぶる良かったので、まあどんなものかなと思って観てみました。確かに面白い。
一番の殊勲は設定とシナリオだろう。導入部から過去話への飛び方もスムーズで、一気に横溝的な世界観に浸り、妖怪が出始めるころから京極的な毒々しく派手な展開となり、息もつかせず終盤へもっていってくれる。それでいてジメっとした人情愛情の話もしっかり盛り込みつつ、無駄な尺を使わない的確な演出も素晴らしい。水木という狂言回しキャラのバックボーンが立っていて物語の推進力になっているし、鬼太郎親父とのきずなが出来ていった先のオチが見事でした。
良い意味で撮影所黄金時代に作られたような堅実で出色の仕上がりです。
