からかす

炎の少女チャーリーのからかすのレビュー・感想・評価

炎の少女チャーリー(2022年製作の映画)
2.0
この予算帯のスティーブンキング原作映画と考えると
まあこれくらいの出来かな…と思う本作。
他の作品とちょっと毛色が違うのは
ホラー色が弱めであり、超能力者としての
アクション要素が若干、若干あることくらい。

ただありとあらゆる要素の描写が薄い。
パイロキネシスの力を持つ少女の怒りと悲しみ、
周囲からの偏見・嫌悪・迫害の眼差し、
政府の秘密組織から追われる緊迫感、
人為的に超能力を与えられた者たちの苦しみ、
どの要素も正直かなりアッサリ目の描写で
上述のアクション要素も予算帯なりの出来なので
かなり平板な印象が拭えない。

そもそもキングと映画というものが相性が悪いと感じていて
それはキング原作ホラーが非常に超常的であると同時に
多層的な人間心理の緻密な描写によって成り立っていて
映画化するにあたっては説明するべきことが非常に多いので
表層的なホラー(本作ではアクション)映画として作っても
大幅な描写カットが必要な分薄味にならざるをえない、
というのが個人的な見解。

本作も例に漏れずそんな感じなので
B級映画として観る分にはまあまあでは。
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