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貞子DXのmatchypotterのレビュー・感想・評価

貞子DX(2022年製作の映画)
3.3
「お父さんが、後ろに座ってる!」

実はこの前の池田エライザの『貞子』を観れてないので、1つ飛ばしてしまった。それはまた近々観ることにする。

“貞子”、KADOKAWAが産んだ近年のジャパニーズホラーの“呪い”の象徴。
少し前から、ビデオテープから抜け出し、近年にフィットするかのように形を変える怨念の塊。

クラウド化、ウィルス化。
今や、“貞子”本人の生い立ちやら、目的やら、亡骸やら、ルーツはどこにもない。

しかし、それでも存在し続ける。
もはやこれこそ“貞子”に取り憑かれてる証拠ではないか。それこそ、“呪い”なんじゃないかと思えるシリーズ、、、とすら思えてくる。

今回も一連の不審死が相次ぎ、その正体は“呪い”のビデオテープだとされる。

そこにコメンテーターとして頭脳明晰のIQ200の大学院生として登場のヒロイン、小芝風花。クソ可愛い。
こんな女の子が本当に日本にいるのかと目を疑う。もう彼女を大画面で観れて、“貞子”に悪戦苦闘する姿が観れただけで価値がある。

そして、この手の作品では欠かせない胡散臭い祈祷師、池内博之。最近の彼、こういう度が過ぎてるキャラクターが多い気がするが、迫力があって良い。貫禄も出てきてる。

川村壱馬、『ハイロウ』の時とは打って変わって、イケメンを鼻にかけるこれまた胡散臭い占い王子。「助けて!」「どうしよう!」「うわぁぁぁ!」といちいち騒々しく小芝風花に付き纏う。

この今回のウィルス性の“貞子”の怨念の概念と現れ方が、そこそここれまでにない姿。
この現れ方は、ある意味で、今までの唯一無二の「“貞子”と言えば、この“貞子”でしょ」を覆してくる。

これを体現するには“貞子”以外のキャストが重要になるので、そういう意味ではなかなか豪華な気もする。
渡辺裕之も観れた。それは知らなかった。

最後のエンドロールはちょっと笑わせにきてるが、今回は全体的にこの“呪い”と小芝風花を中心に冷静沈着に科学的に論理的に対峙する。

“貞子”の呪いの目的もウィルス的に日常に溶け込もうとするので、いつもの圧倒的に理解を超えてくる凄みよりも、謎解き要素も強く、身近な話となっている。

この結末も解決したような気もするがこれはこれで恐ろしいし、それはそれで受け入れたくもないし、これで感染しないと言っても紙一重なわけで、ある意味、“貞子”の思惑に少し近づいてるとさえ思える。

今までで1番、人の身近に迫らせてしまったんじゃなかろうか。

過去の悲惨な事件を起こした呪いよりも、常に誰の近くにもある死に至らしめるウィルスになり得るモノとして、普遍的な恐怖に“貞子”側が順応してくる恐ろしさを描く。

お母さん、西田尚美のキャラがある意味1番怖いかも知れない。
それと、なんで“でんぐり返し”かよ、と思ったけど、いちおう腑には落ちた。

小芝風花、ほんと可愛かった。
小芝風花、山本舞香、広瀬すず、橋本環奈。これはもう、近年の若手として勝手に個人的《四天王》としようと思う。


F:1890
M:1224
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