naoズfirm

破戒のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

破戒(2022年製作の映画)
3.6
 
身分🎬

ストーリーは身分を隠し、小学校教師として働く主人公の姿を描いた作品でした。作品は被差別部落出身という事実を隠し、葛藤の中生きる主人公を軸に、身分違いの恋を描いていました。差別とひと口に言っても性・職業・宗教など多岐に渡りますが、今作では身分による差別が描かれていました。日本の差別の歴史は古くから続き、特に日本史で習う江戸時代の"士農工商えた"が印象的です。その中で大きな転換期を迎えたのが1871年の『解放令』です。法令が発布され150年以上経ちますが、いまの今まで差別が残っているのを鑑みると、差別をなくすというのはとてつもなく難しい事であり、DNAにも組み込まれ無意識的に行われているものも少なからずあると思いました。昨今マウントという言葉を耳にする事が多くなりましたが、人は誰かと比べて優れている点を見つけると安心し、同調圧力のように自分の意見押し殺し他者に同意してしまう日本人特有の負の文化があります。この世に自分より優れている人は、巨万といる中でいちいち他人と比べ一喜一憂するのはしんどい事です。他人に左右されず、仕事や趣味など全てにおいて自分の好きを突き詰める人こそ輝いてみえますし、他人を羨むより羨まれる人生を送りたいと思いました。今作を観て感じたことは、血の通った良識ある人間は身分の高低と直結しないということです。人間の心・振る舞い・考え方などヒトを作る上で根底となる部分がとても大切です。これらは子供の頃の体験や経験・親の教育・外的要因など様々なものから形成されます。日常生活を送る中で、時より大人なのにマジかと思う場面が多々あります。その上で教育の場はとても大切な機会であると再認識しました。
naoズfirm

naoズfirm