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燃えよドラゴンのあのレビュー・感想・評価

燃えよドラゴン(1973年製作の映画)
5.0
胴体を微動だにせず手脚が宙に舞うブルース・リーの運動神経には参りました。コップでお茶を飲む時5割方こぼす私に是非ともその運動神経を分けていただきたいところではありますが、あいにくブルース・リーは遠い星の彼方へ...あな悲しや...。

どこの管轄かも分からない謎の組織に所属するリー、そして少林寺拳法だけで潜入捜査する謎、しかも敵だけじゃなく、リーも割と私情で人を殺す...己を無くしたんじゃなかったんかい...とツッコミどころ満載ではありますが、そこは

Don’t think. Feeeeeeeeeeel.

で片付けられてしまう、スーパー力技ハイパー面白映画でした。

まず舟で香港の港に集まってくるところからいいです。赤子を背負ったまま舟を漕ぐ母親や、水上に暮らす人々に、香港独特の力強い匂いを感じました。

また、ブルース・リーの戦闘シーンでは、大勢と戦う時は、引きでゆったりと構えていながらも、ここぞという時に寄って、攻撃ごとに素早く切り返すカメラワークや編集が見事でした。そのためだけに何回アクションを繰り返したんだと思わず考えてしまいます。ブルース・リーのイキ顔ドアップもよかったですね。

そしてなんといっても鏡の間でのラストバトルが圧巻でした。ザルドスにアクションも追加したような感じで、一体カメラをどこに置いたら撮れるのかという映像でした。何枚もの鏡に映るリーとラスボスのおっさんの駆け引きが面白かったですし、「像」を壊すために一枚ずつ鏡を割っていくという大胆な取り返しのつかない演出を平気でやってしまったところには思わず脱帽です。それに槍の使い方も非常にうまかったです。
あ