あさんの映画レビュー・感想・評価

あ

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四川のうた(2008年製作の映画)

4.6

「薄く広がっていく牛乳」の詩と一緒に倒れた工場の壁の煙が広がっていくシーンに物凄く仏教を感じました。変わっていく四川を否定も肯定もせず、あるようにあるのだとただ眺める感じです。諸行無常ですね。

四川
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帰れない二人(2018年製作の映画)

4.6

銃を持っても寿命が縮まらなかった男女の悲劇。この目的地の喪失加減は「青の稲妻」と明らかに対応していました。フェンス越しにあの二人がチラッと映りましたしね。本当ジャ・ジャンクーはどこにも行けないし、それ>>続きを読む

大切なのは愛すること(1975年製作の映画)

3.6

前半主人公は人の家庭に乗り込んで何をしたいのかがよく分からず、入り込めませんでしたが、中盤裸のキンスキーの哀れな顔が、冒頭の「これは食うためにやってる仕事なの、撮らないで」のロミー・シュナイダーと一致>>続きを読む

検察官/勾留(1981年製作の映画)

4.8

手堅い!これは手堅いとしか言いようがない!

ミレールはやっぱり顔の手数が多いですね。役者の表情を常に信頼しつづけることが、ストーリーテリングに大きく寄与しているのが、取調べ室という空間に限定されるこ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.9

≪バスジャック犯捕まったらしいぞ! 投稿者:よど号≫には流石に笑いました。

暴行、レイプ、丸刈り、援交、自殺、他殺。足利魔境すぎるだろ笑

金がないところに、ちょうど刈入れ時のおっさんが現れてカツア
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パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

4.0

かくれんぼではない笑

物語のテーマは全然違うように思いますが、形式的にはほとんど「すべての夜を思い出す」と同じでした。時間の重なりという意味ではそっちの方が感じられましたが、やっぱり見せ場の作り方は
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.1

これは「夏物語」もそうですが、年上もイケるし、年下っぽい女の子からも言い寄られたい光源氏ロメールの好みが、無害な追跡、すれ違いの物語のアクションによって物凄く爽やかに昇華された映画でした笑

観客はフ
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Maîtresse(原題)(1976年製作の映画)

5.0

「来な」「...はい」「俺もですか...?」「お前はいい」好みが明確

顔にしょんべんかけろ!床を這え!髪の毛も食え!おもろすぎ笑
グローブはめて階下に降りていくビュル・オジェには腹抱えて笑いました。
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

4.0

白人の中の黒人、黒人の中の白人、ヘテロの中のホモ、若者の中の年寄り、そしてパリを徘徊するルーマニア人。この異物感というか、いどころのなさに「ショコラ」よりも強烈なドゥニの作家性を感じる映画でした。>>続きを読む

愛していると伝えて(1977年製作の映画)

5.0

必ず最後に愛は勝つ。ハードコアすぎるKAN。巻きもどれ時間🕗

可愛らしいタイトルから、またまた開けてびっくり玉手箱。二重ストーカー(強姦魔のおまけ付き)なんて来るとは思わんでしょ普通笑(笑い事じゃな
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地に堕ちた愛(1984年製作の映画)

4.7

過去を演じながら現在を手に入れていく女性たちの力強い映画でした。支配している側は、全てを見通しているようで、天使が割れたことも、もう一度取り付けられたことも知らないという関係性の逆転が、演劇の中でダイ>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

4年ぶりくらいに観たけどやーーーばいね、これ。初めて殺したのは親父だってセリフあるけど、菊次郎殺したのたけしってオチない...?って本気で疑う(勝手に他殺にしてすまんけども...)

濃密でドライな暴
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血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.9

良くも悪くも真面目な人が撮ったんだな〜という映画でした。

巨大広告の目が見えてくる演出や、ベッドシーンのライティングが鮮烈で素晴らしかったですが、セリフ回しにお遊戯感が最後まで付き纏い、物語に入って
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

2.0

長いMV。ファッション映画。

観る前から苦手なのは分かっていたけどやはりそうだった...レトロスペクティヴが好評だったみたいですが、それはそもそも予告編の段階で観客がかなり選別されるからだと思います
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風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

5.0

900元、天然のスクリーン。知ってはいたけどもやはり衝撃。

窓の外、出入口、玄関先。異性の存在を介して、三人の少年が様々なフレームの中に飛び込んだり、それを覗き込んだりすることで、観ているこちらは彼
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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.5

作為的なのが過ぎる「ウィークエンド」、狭くて間が弱いたけし...

追いかけっこよりも釣りに注力した方が良かったのでは?の一言に尽きます。

たけしならローラースケートで「ガラガラうるせえんだバカやろ
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蛇の道(1998年製作の映画)

3.7

「防音だから叫んでも無駄だ」からの扉解放。世紀末の騒音対策は斬新ですね。

哀川翔の数学講座に、「なんかもっとこう...」やろうとした形跡が見られる映画でした。

異様な空間は作るものの、そこへ入って
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妄想少女オタク系(2007年製作の映画)

4.5

多分これはアレンジが凄まじすぎて原曲がその形を残していない玉置浩二的作品という解釈でよろしいかと...?

一応チープな学園青春コメディとして観ることもできます、はい。しかし、一言でいうと「オタク気質
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罪の手ざわり(2013年製作の映画)

3.8

ん?どうした急に?ジャ・ジャンクーが普通になったぞ?途中カンフー始まったけども笑

マンションからの飛び降りをどうやって撮ったのか気になります。人間から人形に移る境目が、カットを切っていたのを見逃した
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.7

40分長回しよりも、ラストの電車に時計の方が印象的でした。スタビライズかけすぎてぐにゃぐにゃのデジタル映像よりも、車両をフィルムに見立ててしまう古典的なセンスに驚きました。思い切って長回し辞めたら何が>>続きを読む

ディンゴ(1991年製作の映画)

5.0

爆雷

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ストーリーがどうとか、主人公の行動が云々は的外
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.8

明らかにいじったらいけない人の現実逃避ダイブ。ここまで虚栄心の強い人間は寒がらない気も。

プールをはしごするだけなのに、地獄めぐりの様相を呈してくるのは面白かったです。

しかしここまで前後を省略す
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コックファイター(1974年製作の映画)

4.6

塩もソースもお構いなしに、ただひたすら焦げ目だけで勝負する目玉焼き職人。例えて言うならそんな男、モンテ・ヘルマン。貴方も相当なコックファイターですよ。

世界一観た時の体調によって感想が変わる監督だと
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スラップ・ショット(1977年製作の映画)

5.0

アイスホッケーは格闘技。点より血をくれ野郎ども。

スポ根の文脈で労働者階級、プアホワイトの悲哀を描くジョージ・ロイ・ヒルは、やっぱりニューシネマの人なんだと感じました。搾取を汚言と娯楽と暴力で紛らわ
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スローターハウス5(1972年製作の映画)

4.3

捕虜収容所に向かう列車の中の毛布から、帰国後の病院を除く。

「ガープの世界」でも、自宅のブラインドから様々な過去を除いたり、車の中から夫婦そろって窓越しの我が子を除いたり色々ありましたが、ジョージ・
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.6

正直事件のことについて知らなくても、割と序盤の病院のシーンでなんとなくオチが分かってしまいますが、なお良いです。

この作品が素晴らしいのは、線路をいくら遡れど、事業の失敗や離婚といった大きなイベント
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オアシス(2002年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

あまりにもハードコアすぎる...

「暗殺の森」みたいなサムネイルが完全に詐欺で、開けてびっくり玉手箱でした。これが来るとは思わんでしょ普通笑

ジョンドゥはおそらく知的障害の入った重度の自閉症?で、
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ジンジャーとフレッド(1985年製作の映画)

5.0

「巨乳は今日の夢だ」

アメリアがボロい楽屋のカーテンをめくると、鏡に小さく登場するピッポ。ここ最高。

別の部屋で寝て、楽屋で離れて着替えをするけれど、停電で久方ぶりに打ち解け、舞台で呼吸を合わせる
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いちご白書(1970年製作の映画)

4.1

この二人はあの体育館で死んだんだな、と思えるところがいい。

私たちの青春はどこへと仰る年配の方がいらっしゃると思いますが、あなたたちの青春は会社か役所に消えて、今は年金で生きてるじゃないですか...
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

4.0

いいね〜、多摩多摩してるね〜

普段視界の端にしかいない人が動き出す快感、環境音がコンサートになって環境音戻るこの感じ...「ピアニストを撃て」だ!

「ピアニストを撃て」は主人公になった瞬間女と不幸
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キャッチ22(1970年製作の映画)

3.0

じゃあ「まぼろしの市街戦」でいいよね...。

誰がどこで何をしているのかが殆ど理解できないのはそいう仕様で、アメリカンジョークで息継ぎをしろとのことらしいですが、そのジョークが全く面白くないという微
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柔らかい肌(1963年製作の映画)

3.9

相手の部屋の鍵を退けて自分の部屋の鍵を挿す手元の面白さ、飛行機の扉からホテルの扉へ、流れるような浮気の導入が素晴らしかったですが、その後の展開には面白みがなく、ラストも正直予想の範疇を出ない衝撃しかあ>>続きを読む

火の娘たち(2023年製作の映画)

3.9

溶岩の中で死んだ娘たちのミュージカルっていう感じなのでしょうか?面白かったです。やっぱりコスタさん音楽いっぱい使って欲しいな...

もろストローブ=ユイレですね。8分というのがちょうどよかった。美味
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ヴィタリナ(2019年製作の映画)

3.8

手で分かるヴェントゥーラ。長生きしてくれ...

家に帰っていく労働者たちの導入から、またもや時間の止まった地獄のような世界観が見事で、かなり引き込まれるものがありました。

空港、墓、そしてカーボヴ
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殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)

4.1

身長を気にする方は、おそらくどんなに頑張っても他人の頭を無意識のうちに見上げてしまうと思うのですが、ネルソンはそれと同じように虚勢を張って銃を抜いてしまう。かなり悲惨な映画でした。

素知らぬ顔で厚底
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坊やの人形(1983年製作の映画)

4.7

ユーモラスな「自転車泥棒」って感じのオムニバスでした。素朴で直球な面白さ。

「坊やの人形」
メイクとったら上祐に似てて面白かったです笑 パネル投げそう。多分そこじゃない...
やっぱり線路が大好きな
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