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MEN 同じ顔の男たちのPalakのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.5
アナイアレイションが個人的オールタイムベストに入るほど好きだったのでかなりハードル上がっての鑑賞だったけどこうきたか。

かなりアブストラクトで非現実的なのであまり現実に落とし込んで理解しようとしない方が良い。そういう意味では監督のこれまでの映画とは結構真逆のアプローチなんだけど、演出の緊張感や深淵を覗き込むような真っ黒な空気感、ギラギラした色彩なんかは前作とかなり地続き。

話の内容的にフェミニズム映画かと思ったんだけど結構パーソナルな問題を描いてるように自分には受け取れた。男性不信や恐怖がこの場合あまり一般的でない要因で主人公に生じてるし。逆にこれがしっかりフェミニズムを描く意図で作られたんだとしたらちょっと弱いというか不誠実さの残る作品だと思う。

最後のシーケンスはかなり挑発的というか頭おかしくて気持ち悪すぎて笑っちゃったんだけど、これを含めこの映画で起きた全てのナンセンスな出来事を安易な”夢オチ”にさせないあのラストは痺れた。
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