椎良

MEN 同じ顔の男たちの椎良のレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.6
迫り来る原罪

〈夫の死を気に病むハーパー。彼女はそのリフレッシュとして田舎へと訪れる。のどかな2週間を満喫しようとするものの、その背後には立ち尽くす影。
やがて目にする、異形の光景──〉

生まれては死に、そうして積み重なるのは男性性。あなたには理解出来たか。

A24発ホラー。監督は『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド。
かなりの癖強、初見観客の大半が理解不能レベル。田園や森 空の神秘的美しさに対比して、演出がこれまでにないレベルに生々しく、くどくもある。ホラーとしての魅力よりも嫌悪感が勝ってしまう人も多そう。

現実的に何が起こったかは置いといて、怒りと恐怖と軽蔑 諸々が重なり合った絵面は滅茶苦茶。単なる男性性の批判に留まらず、偏った男性観への苦言・弁解や男女それぞれの苦しみを併せて描く力量が凄い。ラストシーンに特大級の皮肉かましてくるのも秀逸。
欲を言うなら最後、辻褄合わせのヒントがもうちょっとあればなと。邦題に関してはパッと見「そういや似てる顔…?」レベルでしたがまあ

このエグさマシマシ映画を撮ることの出来る監督がいることに価値がある。そのくらいには本当にあのシーンが半端ない、よくもR15+で通したな だし 他のシーンでもこれ映して大丈夫なのか選手権してた
隣で観てたカップル、その後の雰囲気が居たたまれないものでない事を祈ってますが………

今年の映画館鑑賞は今作で最後かな〜
椎良

椎良