映像は美しいという評判を聞いていたが、たしかに美しいのだが、それと同じくらい不気味な映像も出てくる映画だ。
冒頭は雨のロンドン。いいねえ... と思ってみてたらいきなり窓の外を人が落ちていくし、その後イギリスの田舎の風景を堪能させてくれるかと思えば、美しい風景の中になぜか全裸の男が立っていたりして、早い段階からいや～な気持ちになる。
「同じ顔の男たち」という邦題はちょっと違うような気がする。
「顔は違っても中身はみんな同じようにクソな男たち」というべきか。
庭に立ってる警察官のシーンあたりから、実は「彼ら」は主人公のトラウマが作り出した幻影なのではって気がしてきたが、そう思ったほうがむしろ安心して見ていられる。あんな変人ばかりが周囲に現実にいるほうがよっぽど怖い。
終盤の、男の身体のありえないところから別の男が生まれ、またその男のありえないところから別の男が... ってエイリアンの出産シーンのような描写にはどういう意味があるのだろう。最後に出てくるのは●●だろうなという気はしていたが、その意味は難解すぎてわからない。
翌朝友人が助けに駆けつけるシーン、主人公のフォード・フィエスタがほんとに壊れてるのが怖かった。ということはあれは幻影ではなく現実に起こったことだったのか((((；ﾟДﾟ))))
友人を見た主人公の顔に少し笑顔が浮かんだところで終わるのが救いだ。
