あおみどろ

MEN 同じ顔の男たちのあおみどろのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.0
まぁ………A24らしい映画とでも言えばいいのかな………男性性と女性性のメタファー?情欲のメタファー?抽象的な表現のみで構成されているようなものの為ハテナが多すぎるが。

ただ一つ分かるのは、この村で起こる出来事は全てハーパーのしてがしたことの贖罪、或いは再現であるということ。最初は亡き夫ジェームズがとても身勝手のように見えるが、ハーパーも同じぐらい身勝手な女性である。他者の意見を受け入れず突き放し、果てにはヒステリックになり喚き散らかし。そうして同じ顔の男たち(=ジェームズのメタファー?)がハーパーに襲いかかり、抵抗するハーパーは腕を切り裂き脇腹を刺し車で撥ねる。それでも尚ハーパーに付き纏うその姿はまさにジェームズが自殺した時と同じ姿であり、彼女の罪の証だと考えられる。そうして最後は、かつてジェームズか望んだようにハーパーへの贖罪、ひいては「愛」を受け入れた………ってことかなぁ。それにしたってハーパーからしたらはた迷惑な話ではあると思うが。

ラストシーンは映画館で観たら失神するレベルで気持ち悪いし、全体的に不穏な空気が漂っている為気分が落ち着かない状態が続く100分間。しかしながら絵作りの美しさは素晴らしく、ストーリーも考察のしがいがあって存外に面白かった。まぁできればもう観たくないのが本音だけどな!
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