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MEN 同じ顔の男たちのmasaccoのネタバレレビュー・内容・結末

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

おもしろかった!
町山さんの解説聞いてさらに理解が深まった。
繰り返されるレリーフは「グリーンマン」という古代ヨーロッパにおける豊穣のシンボルだという。=ホームレスの裸の男。グリーンマンの裏側のレリーフが女性の股間で繁栄のシンボルだというのもおもしろい。
同じ顔の男たちが、段々と、モラハラ夫の最期の姿に近づいていくのもおもしろいし、脱皮を繰り返す男に最初こそ怯え慄いていたが、だんだんと冷静になり、呆れて、なんなら諦めたような表情になっていくハーパーに笑ってしまった。
たんぽぽの綿毛=精子、眼孔やトンネル=子宮の入口のメタファーか。
少年の顔が一番気持ち悪かったな。そして、女性に対する侮蔑行為も一番分かりやすい。最初は好意を見せるが、誘いを断られると、「ビッチ!」などと罵る。女性の方は、礼儀正しく断っただけなのに。
家主の、荷物は自分一人で運ぶから大丈夫と言いつつ、2週間の滞在にしては荷物多くね?という一言も絶妙にムカつく。
司祭?神父?の「謝る機会を与えないお前も悪い」という態度はあり得ないだろ、って思うけど、一般的にはよくありそう。
終盤、郵便受けに差し出された手のひらに、憐憫の情なのか、少し触れた途端に暴力的なまでの執着を見せ、抵抗し自己防衛すると、自ら傷つき、「お前のせいだ!」と言う。あるある、だよね。こわ!
「僕を愛して欲しい」って、こっちの落ち度?何様だよ。
トンネルのシーンは美しかった。
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