完成披露試写会で拝見しました。
原作となっている『おみおくりの作法』は未見です。
キャストの皆さんは舞台でも活躍する実力派の方々ばかり。ですが、まだまだいらっしゃいました！ 映像でも見ることが出来て、わくわくしました。
庄内の空と田園、空と漁港、日本の原風景が広がり、空の高さや広がりがすべて人の人生を包んでいるような気になります。
スピーディなテンポで進んでいくのかと思いきや、淡々と物語が紡がれていきます。
牧本さんは察しが悪いんですね。それで、周りも巻き込まれてて、ついつい笑っちゃうんです。
死に対してある意味執着を持っている牧本さんが生を受けて間もない赤ちゃんを抱きあやしているときの表情が忘れられない。生と死が牧本さんを介してすぐそばにあることに、自身もその状況の中にあることを気づかされました。
また、印象的なのは収骨の場面が何度か出てくること。自分の人生の中でもその経験はありますが、場の雰囲気やその時の状況を思い出そうとするにも現実でも非現実感が伴います。その時のヒリヒリした気持ちと物語が作り出す柔らかい気持ちで、帰り道は空を見上げたくなります。
舞台挨拶後に拝見したので、阿部サダヲさん演じる牧本さんと松下洸平さん演じる神代さんのやり取りを皆さん注視している空気が伝わってきました（笑）笑わせていただきました。
