蛙ドーナツ

イル・ポスティーノの蛙ドーナツのレビュー・感想・評価

イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)
5.0
映画って、映像だけあって、『詩(リリック)とは?』『小説を書くとは』というテーマを書いていると結構、確実に失敗してる例が多いんだけど、これは珍しく大成功してるので観るべし、観るべし、左脇腹を抉るように観るべし!(元ネタ分かったらイイネ!押してね)

同じぐらい成功してるのは、『トレインスポッティング2』なのでそっちも観てやってほしい。
『詩も小説も書いて、外に出した途端、それは作家のものではなく、それを必要とする人のものとなる』とか、『詩人や小説家の目で観た世界と、ほんの一瞬だけ読んだ人間が接続できる』とか、『世界の事象と心の動きをリンクさせると、ほんの一瞬だけ孤独じゃなくなるかもしれんよ』とか、そういう感覚を上手く映像化した作品。

詩も小説も、そして映画も、本来なら『奇跡』なんすよ。
ワシら、両生類も人類も生まれては消えてく泡沫の花で、自分の世界から出ることなく死んでいくもんでございますが、詩や小説を開けば、過去の世界の人間が観た世界を一瞬だけ接続できる瞬間がある。

まあ、勘違いかもしれないけど、それはやっぱり『奇跡』と呼んでいいものじゃあございませんかね。

あ、『奇跡』の文言は漫画『チ 地球の運動について』の3巻目からの文言を借りました。
読んでね、めっちゃ面白いから。
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