サンタムール

LOVE LIFEのサンタムールのネタバレレビュー・内容・結末

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

深田晃司監督の作品って、結構ホラーだと思っている私なので。心にバリアをはって鑑賞したのに。。(泣)
今回も、かなりのダメージを初っぱなから食らっちゃいました。。

【LOVE LIFE】
新しい家族をつくる。はずだったー。
幸せな時間は一瞬にして、忘れることの出来ない悲しい日と化してしまうー。っていうフレコミです。

主人公の木村文乃演じる妙子が薄幸オーラ全開で。永山絢斗演じる二郎と、オセロの名人な幼い息子を連れて再婚してる設定なんだけども。

団地住まいで、すぐお向かいの棟に住んでる義両親ともあんまりうまくいってない様子で…。
義父からは中古品なんて言われちゃってるし😡
そして、いい夫の筈の二郎が元カノとなんだかなぁ~💕な雰囲気だし。。

終始、物語は不穏な空気に包まれており、もっと嫌なことが起きるんじゃないかと心がザワザワしちゃうんです。流石、深田晃司監督よ😅

物語の最初らへんに、不慮の事故で可愛いオセロ少年がお風呂で溺死しちゃうんです😭😭
子供が不幸に見舞われるシーンが一番のホラーです。

もう、ざわざわ森のがんこちゃんばりに…。
ガオォー❗って、叫びたい展開よ。

アタシ自身も息子が保育園の年少さんの頃に今の夫と再婚してるしね…。(うちは、ちゃんと戸籍にいれてもらってるけど…。)なので、ヒロインの妙子にはすぐに感情移入してしまうよね。
お葬式でのあのシーン。
心の奥底から自分を、責めたくなるくさ。
そして、戻ってくる元夫の韓国人が超ダメンズ❗住むところすらない状況の元夫をほっとけない性格の妙子…。
なにもお金まで貸してあげて、韓国まで一緒についてくことないじゃない。。ってザワザワしまくり。。

まぁ。浮気したり、どこか、人とちゃんと向き合うことが出来ない夫の二郎もフヌケでゲスなんだけれども。
なんと言っても極みは、オセロ少年が死んだあとに、すぐに二人の子供を作らなきゃ。って思ったとか、マジで無理なんすけど…。…。

アレコレあって、元夫と韓国への愛の逃避行かと思いきや…。
…。…。

『OPPA』とかいう、底抜けにハッピーな曲にのって、雨の中、一人ダンスを踊るヒロインが。もう、泣けちゃって…。
かなり痺れました。
ユラユラ踊る妙子の後ろ姿よ❗😭
顔は見えなくても、きっと彼女は泣き笑いしてたよね。

男と女なんてそんなもんだよね。
絶対わかりあえっこない。とアタシは思ってる。そして、人の心というのはオセロの黒と白のように、はっきりとはしないもので。。

着地点としては、しれっと、お家に帰ってきた妙子を迎え入れる二郎。
ご飯はどうする?
お腹すかないから散歩にでもいくか。って。

そこで映画のタイトルがやっと出ます。

二人がちょっと距離を保ちながら散歩に出掛けるところで物語は終わります。

そしてエンディングには矢野顕子の【LOVELIFE】が流れるという…。

この歌詞が全てを物語ってて…。

ーLOVE LIFEー
どんなに離れていても 愛することはできる
心の中広げる柔らかな日々
すべて良いものだけ 与えられるように
LOVE LIFE
もうなにも欲しがりませんからそこに居てね
微笑みくれなくてもいい でも生きていてね 共に


こんな痛い&怖い歌詞を柔らかい矢野顕子の声で聞かされたら、、心に刺さるよね。

この歌詞は、
どんなに(心が)離れていも 愛することはできる

と、とらえました。
サンタムール

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