子連れで再婚した一人の女性（木村文乃）が事故で最愛の息子を失ってしまう。そして、自分を捨て家を出ていった元夫（韓国人でろう者）が葬式に現れる。
矢野顕子（大ファンである）の「LOVE LIFE」をモチーフにした作品ということで鑑賞。
深田晃司監督の作品は観たことがなかったが、この作品を観て、人の深部を描くのが上手な監督だと感じた。
人は良い－悪い、親切－不親切、外向的－内向的のように単純に分類できるものではない。多くの人は、状況に応じて自分のパーソナリティを使い分けている。また自分が親切だと思っている人でも、知らないうちに、時には自分をコントロールできずに、自分の負や悪の部分を相手にぶつけて、人を傷つけている。
この作品では人の持つ多面性が上手く描かれている。多くの人は、自分が親切な人間だと他者に思われたい、また自分でそう思いたいだけではないか。そして、親切な行為や言葉を通じて自己愛を高めているのではないか。この作品の登場人物をみていると、そういった人間の性を改めて認識させられる。
深田晃司監督の他の作品も観たくなった。
