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LOVE LIFEの肉のレビュー・感想・評価

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
3.8
人間は皆孤独やし人生で傷ついたり傷つけてしまったり、喪失感やもう立ち直れないと思うようなことって多かれ少なかれ誰でもきっとある、でもそういうのを無理に克服しようとする必要はないし傷を抱えたままで生きてくのでもいい なんとかかんとか騙し騙し生きていけるよ…て話なんかな

時や場所や立場によって良くも悪くも変わっていく、多面性を持った人間の描き方がめっちゃ豊かで素晴らしかったし、邦画にありがちなファッキン不自然説明台詞もなくてストレスフリー(ただ団地なのに個人的なことで広場であんな大声出すか?とか別棟の人とベランダから大声で会話するか?とかそんなダッシュで走って逃げる?とかその辺は違和感あった)

『どんなに離れていても、愛することはできる』この映画の元になった矢野顕子の同名タイトル曲と共にタイトルバッグが出るあのタイミングも、本当に完璧で完璧で鳥肌立っちゃった

コミュニケーション取る上で視線を合わすことが重要な手話という言語を使う登場人物たちと対照的に、あまり人と目を合わせない彼に対して主人公が最後にかける言葉
それは、喪失や後悔や緩慢な絶望が漂った彼女の未来に一縷の希望を感じ取ることができるものやったし、そのあとの長回しも何故かとても泣けた あれは誰の視点、視線だったんだろうか

全体的には好きで良かったんやけど、前夫が韓国と日本のミックスルーツという設定は何故なのか…そこだけいまだによくわからんしそこに言及した感想もあんまないのでみんな気になってないのかなあ
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