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LOVE LIFEのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

監督は深田晃司さん、『淵に立つ』を観て、当時結構衝撃を覚えて、しかしその後はタイミングが合わず観る機会を逸していた。
『LOVE LIFE』は矢野顕子による同名のアルバムをモチーフに構想された作品とのこと。

妙子(木村文乃)、二郎(永山絢斗)が夫婦役(厳密に結婚してない)で、前の夫パクとの子供敬太と暮らしていた。同じ団地内には二郎の両親も住んでおり、二郎の元彼女の山崎理佐の6人がメインで物語は進む。

妙子と両親との関係が絶妙で、義理父に嫌われていて(その理由は後にわかる)小言を言われる、いや小言というよりも明らかな拒否感を示すほど。妙子も負けじと返し、継母が仲を取り持つ、みたいなやりとりがしびれた。皆演技がうまくて妙なリアリティだった。
二郎がなんだか頼りない、ピントがズレてるというか、それは二郎の両親もそうなのだけど、態度や気持ちが妙子に寄り添ってない、子供はかわいいけどね。それが散りばめられていて、妙子の息苦しさ、ストレスを感じる。

そして、とある事件によって物語が一気に動き出す。

元夫のパクと再開して、仕事でもあるからと何かにつけてパクを助けてしまう、二郎が徐々に嫉妬していくほどで、気持ちがどこか通じあってる、本気で向き合ってる感じが二郎達との対比ではっきりしていた。妙子はパクには心の底を見せれるし、考えを晒せるし、ほっておけないのと、実際ほっとけない事情もある。妙子が福祉課にいるのもあるだろうけど、元夫であることもあるだろう、二郎とパクの間で揺れる。
ある日、突然失踪して許せないと告げなからもほだされて側にいる妙子は、衝動的に大きな決断をする。
そこでの妙子の謎のダンスはシュールだった。

理佐が二郎にかける言葉、二郎自身の核心を突き、えぐる言葉で、物語中確かにそうだった。彼の生き方や態度全てを一言で表すのはすごいと感じた。その言葉を回収して物語は終わる。最後の長回しは圧巻でした。

LOVE=愛もLIFE=人生も、LIVE=生きる過程ででこそ出くわす様々な事、それに時に翻弄され、時に克服しながら、それでも逞しく生きていく。本作の焦点が妙子ではあるけれど、二郎でも、両親でも理佐でも個人個人それぞれにも物語はある、生きている。

さすが深田晃司監督、面白かった。
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