荒井文助

かがみの孤城の荒井文助のレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.8
予測不可能な事態が起こる環境や、理不尽な境遇にさらされたとき
自分の理想とする世界を認識する人は多い気がします。

困惑とした世界で、自分の思い通りにいかない経験をすることで
自分がなにを求めているか把握していく人は多い気がします。

海を航海する時、その海が規則正しく穏やかで、どこに流れ着いても危険がないなら、身を任せても問題ないけど
予測不能な激しい嵐の海なら、自分の羅針盤は不可欠で

予想外の流れに、流されそうになって初めて、そっちには行きたくないと認識できる気がします。

そういうのを経て、こういうふうに生きたいって少しでも明確になるのかもしれません。
今みたいな世界は、自分の軸を持つのに適しているのか、善処するのかしないのか

そんな風に背中をポンと押してくれる映画だとも思います。

バカ正直に書くと悪い友達とつるんでた時もあれば
ふざけたり、調子にのったり、からかったりした過去が自分にもあります。
人を傷つけたこともあります

はい。

辻村深月さんがめっちゃ個人的に好きで、先入観がないままで映画を観たかったんですけど、先に原作を読んでしまっていたので
正直見終わってアキの視点からの語りとエピローグ。少し物足りなかった気も、、いや逆にそれが良かったのかな。
2時間越えると疲れるしね 笑

控えめにいって最高でした。
原作に忠実で優しそうな世界観なのに言葉や表現が容赦なく刺さり
ディープな部分を隠さずちゃんと見せてくれていて、ほんとに観て良かったと思います。BGMも

かがみの弧城の世界ってなんなのか?なんでこの7人が選ばれたのか?この狼さんなんなのか?

いじめや不登校だけじゃなく、誰しもが何かしらあるよねと全ての伏線の答えあわせをしてくれる終わり30分間。
そこでかなり引き込まれると思うので観てない人は是非。

「ケンカはお互い言葉が通じる者同士がすること。もっと対等なこと。イジメとは違う」

「みんなの世界を一緒にしてくださいって願えばいいんじゃない?」

「そんなこといいから!戻ってこいってば!!」

記憶

辻村深月さんの小説。
「傲慢と善良」もお勧めです。いつか映画化もすると思うんですが、こちら大爆発ヒットすると思います😀
荒井文助

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