居場所のない孤独な人たちが居場所を見つける話、しかも監督が原恵一というのであれば、そりゃあもう特に言うことはございません。登場人物たちが今もどこかで健やかに生きていることを願うばかりです。
そのうえで文句めいたことを言いますが、時間に関するある設定は、なーんか過剰に思えるんだよなあ。でもそれこそがこの作品の肝でもあるし、原作で読めばまた違った感想になるのかもしれないが、「その設定から逆算してお話を作った感」が否めない。思えば辻村深月原作のドラえもん「月面探査記」も同様で、いろいろ設定こねくり回しすぎて大事なメッセージがあんま入ってこないな、という感じ。なんならそういうギミックなくても原恵一ならなんとかしてくれるんじゃないかなと思うんだけど、まあそこは原作ありきということで。単に俺が辻村深月苦手なだけなんだと思います。
