タリホー

かがみの孤城のタリホーのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.1
いじめっ子の解像度が高く、いじめの陰湿さがとてもリアルだった。

伏線は多く張り巡らされているが、分かりやす過ぎる為ワクワクできない。服装なども各時代の特徴を捉えている点は素晴らしかった。
最低限の情報の小説であればもっとストーリー展開にワクワクできたのかもしれない。

結局あの孤城は何の目的で作られたのか。リオンの姉であるオオカミ様が作り上げた世界とルール。希望の世界を作り上げる代償としてルールを課す必要があったのは理解できる。
なぜオオカミ様としてずっとお面をしていたのだろう。はじめから正体を明かし、残された時を弟たちと有意義に過ごすことはできなかったのか。
リオンの記憶を残せるなら全員の記憶を残せば良い。さらに言えば、ルールの改変が可能であるならアキを救うこともできたはずだ。いや、そもそもこころはアキを救う願いしかしていないのだから、他の仲間たちはオオカミに喰われるべきなのではないか。ルールガバガバ過ぎて気になってしまう。

いじめや不登校をテーマにするのであれば、ファンタジー部分の設定こそ丁寧に作り込んで欲しかった。
これではご都合主義のお気楽ハッピーエンド作品に感じてしまう。
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