ブラックユーモアホフマン

マイ・ブラザーズ・ウェディングのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.7
社会的・文化的な背景は違えど主人公の気持ちはすごくよく分かった。

優秀な兄貴とその妻になる人の家族同士の食事会で、一人だけプー太郎の主人公はコンプレックスもあって、仕事のこととか将来のこととかを聞かれると恐らく聞いてる本人たちが意図している以上に、その言葉に軽蔑心が含まれていると感じてしまって反発する。
殺人犯の弁護をして勝訴した、という話にも「殺された女の子はどうなるんだ!」と反発する。そして給仕として働くラテン系の女性に何度もお礼を言う。

給仕に慣れてないから。レストランの店員に対する態度と同じように、働いてくれてる人にはちゃんとお礼を言う。でも女性の方も感謝され慣れてないから怪訝な顔をする。

黒人の白人化への違和感と言うんだろうか。スノッブな連中への嫌悪感があって、徹底的に弱者の味方であろうとする。
ロクデナシに思われがちだけど本当は心優しい青年。出所してきた友達のソルジャーは確かに問題のある男だが、古い付き合いを大事にしようとする主人公はやっぱり信用に足る男だと思う。

基本はユーモラスで笑えて、コメディと言ってもいいと思う。でもずっとどこか物悲しくて息苦しい。

【一番好きなシーン】
電灯の下で歌って。「アイツはどうした?」「殺されたよ。もう俺とお前だけだ」切ない。名シーン。