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シャイロックの子供たちのkomagire23のネタバレレビュー・内容・結末

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)

池井戸潤作品の安定の面白さ

今回もさすがに練り上げられた池井戸潤さん原作の面白さがあったと思われます。

本木克英監督の同じ池井戸潤さん原作の映画『空飛ぶタイヤ』は、正直WOWOW版のドラマの方がはるかに良くて、短い時間の映画ではきちんとしたそれぞれの関係性が描かれていない印象で食い足りなかったですが、今回の映画『シャイロックの子供たち』はWOWOW版とはまた違った面白さある映画に仕上がっていたと思われます。

石本浩一役の橋爪功さん、沢崎肇役の柄本明さん、九条馨役の柳葉敏郎さん、などは楽しそうに演技していて、西木雅博役の阿部サダヲさんの演技と合わせて映画を快活にしていたと思われました。
北川愛理役の上戸彩さんや田端洋司役の玉森裕太さんも魅力的で、黒田道春役の佐々木蔵之介さんの存在感もさすがで、その他の滝野真役の佐藤隆太さん、忍成修吾さん渡辺いっけいさん杉本哲太さん木南晴夏さんなど、見ているだけで楽しい映画になっていたと思われます。

強いて欠点を上げると、やや題材スケールが小さい印象なのと、黒田道春(佐々木蔵之介さん)から映画が始まっているように、明確に主人公・西木雅博(阿部サダヲさん)を掘り下げた映画になっていないのが傑作になり得ていない点だとは思われました。
(冒頭の劇も私は必要ないとは思われました。もちろん黒田道春の帯封エピソードをどう入れるかの苦肉の策だったろうと一方では思われながら)

ただ、難しいことは考えず、(ある水準の)リアリティあるストーリーとそれぞれの役者陣の演技を見るだけでも、十分満足感ある映画だと思われました。
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