このレビューはネタバレを含みます
岸井ゆきのが可愛いのとフライングガーデンがめっちゃ出てくるのが良かった。あと青山ひかるが好きなので棚ぼた感覚で嬉しかった(笑)
YouTube全盛期の今だからこその演出がとても上手い映画だった。ユリが売れっ子になってからの動画は見ていて楽しいしセンスがあるなと思った。特に画面の背景に洒落たフォントでテロップが埋められていくのは初めて見たし、めちゃかっこよかった。
ユリのボディペイントのところはイヤーな印象を持ちそうだったが、ユリが完全に同意しているところが強調されていたのであまりグロさは感じなかった。あとユリの周りにいた男性YouTuberたちがユリを性的なものとして捉えていなかったのも好印象だった。この手のストーリーだとユリは性的な搾取の対象となり得るがそれがなくて本当に良かった。
ユリがYouTuberになったきっかけがよくわからなくて、何かクリエイティブなことがしたいというより承認欲求を満たす方が先行していたように感じた。そう考えた時に物語終盤での転機となるジェイコブの火葬未遂からジェイコブスウェット着用までのユリの心境の変化がつかみにくかった。しかし今改めて考えてみると、ユリは試行錯誤しながら自分の納得する動画を作っていた無名時代の自分の方が楽しかったということだと思う。だとすればユリは承認欲求を満たすよりクリエイティブなことをするのが本当にやりたいことだったのだろう。ユリがゴッティに対してあんたは私達YouTuberを見下しているというようなことを言っていたが、あれは完全に自分自身への問いかけだったように思う。自分のやりたいことではなく視聴者が喜びそうなことをやらされている感覚が嫌だったのだろう。
まあ救いのない終わり方だったが、好きな映画です。