ハコインフォ

神は見返りを求めるのハコインフォのレビュー・感想・評価

神は見返りを求める(2022年製作の映画)
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2年前の劇場鑑賞以来。
アマプラで2回目。



一般の人間には分かりえない動画投稿者らの「どうせ裏で多分こういう集いやってるんだろうな」が映し出される。



見どころは何よりも田母神(ムロ)の温厚な人柄→憤怒の連発が衝撃的だった。TVで見るツッコミのキレ芸とは全く違う本気の「ああああ!拾え!拾えよ!!」や怒鳴る前の小声の「はぁ……?」は映画2回目でも背汗が出る。



過激な投稿になっていく様子は清々しいくらいに稚拙で、集団のミーティングのようなものも真剣なものではなく「意見にノっておけば何となく進む」ような、数字至上主義の人らの沼地と化した小社会。
観ていて恥ずかしく鳥肌もの。



①「どこが面白いのか分からないグループYouTuber」
②「編集と企画のせいで何も伝わってこないつまらない動画(その上無駄に大掛かり)」
③「社会に溶け込む『意見を持たない情報拡散人間』」の再現度、あっぱれ。

村上(栁)の「それやって面白い理由言ってみて?」の台詞に「いや、そのやろうとしてる企画もマジで面白くないからね?」と思いながら鼻で笑った。



ゆりちゃんは知名度を獲得してもその企画がやりたいことなのかどうかに意見の加担はできない。感覚が麻痺したまま生身の器だけがペイントされ続け、やらされの加速を抑えるブレーキはついに壊れ、気づくのも遅かった。


ダンスMVの完コピはいつまで経っても出来やしない。なぜなら彼女がいる場所はハワイから遠く離れた国の檻の中だからだ。