Jimmy

シスター 夏のわかれ道のJimmyのレビュー・感想・評価

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)
3.0
自分の抱いていた道を生きていくのか❓ 突然押し付けられた弟を引き受けて姉として生きるのか❓
そうした人生の選択を考える女性の葛藤を描いたヒューマン・ドラマ。

疎遠だった両親の交通事故死によって、突然、やはり疎遠の弟を「姉弟じゃないか!」と押し付けられる若い女性アン・ラン(チャン・ツイフォン)。
看護師として働いている彼女は、医者を目指して北京の大学院進学を目指しているタイミングでこういう状況となる。

彼女は、中国の「一人っ子政策」で、生まれた時から「な~んだ、女か…」という望まれなかった娘だったため、早くから親元を離れていたのだった。
そして、弟は「待望の長男」として両親の溺愛を受けてきたズーハン。
そのせいか弟はとっても我儘放題で、育ててもらうことになりそうな姉アン・ランに唾を吐き、姉が用意したパンは「こんなの嫌だ!肉まんが食べたい」などと言ってパンを食べずにバラバラにする。……映画を観ていて、子供だからと許される事ではなく、殴ってやりたくなる暴挙。

しかし、姉アン・ランには、幼い弟を思いやる気持ちが段々と生まれて来て……というあたりがホノボノと温かい映画。

これまで、中国の「一人っ子政策」のことなど考えたことが無かったが、この映画を観て「女性として生きづらい時代があったのだな…」と思わされた。

日本映画・外国映画、新旧映画、いろんな事情を背景に描かれているが、本作は中国の少し前の時代を描いた映画で、新鮮な感覚をおぼえる作品であった。

(オンライン試写会にて鑑賞)
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