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シスター 夏のわかれ道のtokoのネタバレレビュー・内容・結末

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

中国の一人っ子政策によって生まれた歪み…親から自立して医師を目指すアン・ラン。
彼女には優しい医者の彼氏も居て2人で北京で暮らす夢があった。

そんな中、両親が事故で亡くなり歳の離れた弟だけが残された。
弟の面倒を見ろと言う親戚の人達に、自分は関係ないという態度で反発するアン・ラン。

親に対して自分が受けた辛い出来事が少しずつ分かって行くのだが、この時点ではアン・ランの気の強さが冷たく感じられます。

後半、両親から愛された弟の無垢な笑顔が可愛いだけに、同じ親から受けたアン・ランの心の傷が少しずつ明かされてくると胸が痛くなってきます。

でも、それ以上に自分の夢を叶える為に努力して強く生きて来たアン・ランの前向きさが凄いと感じました。(優柔不断な彼氏もバッサリ振るのはカッコいい!)

自分の道は自分で決める。
自分の為に…

身勝手に見える親戚の人達にもそれぞれの人生が有り、自分の人生を生きている。

自分の目指す道に邪魔になる弟の存在。
幼い弟は姉を頼るが、幼いなりに自分の存在が姉の未来を邪魔してると感じたのか…

彼女が初めて血の繋がりを感じた瞬間は彼女が1番求めてた温もりだったのかな。

辛い内容の映画なんだけど、小さな弟ズーハンの可愛いクリクリした瞳に癒されながらも 少しずつ両親に対するアン・ランの葛藤と辛い記憶の真相に辛くなりました。

終盤のアン・ランのお墓での両親に対しての叫びが「愛されたかった」という思いが溢れるくらい伝わって涙が出ました。

新しい強い絆と愛を得た彼女なら、これからの困難にも負けずに生きていくと思えるラストだと思います。
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