人は度を超えた恐怖や絶望に対面した時に思わず笑ってしまうというところが上手く表現されててかなりの力作でした。閉塞された社会でもがく人々の姿は見ているこちらまで息が詰まるほどリアルだし、スクリーン上で起きる出来事も全く救いがない。でも、明らかに絶望的な状況が映し出されているのに客席からは笑いが起きる。 正直「あのシーンはどういうことだったんだろう」という飲み込みきれない部分もあるんですが、抑圧された人々を描くという意味では若松孝二作品に通ずるところもあったかなと(特に終盤)。映画としても次の展開にずっとハラハラしながら緊張感が持続するし、もう一度観たいと思わせてくれる作品。
