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さかなのこのkazuoのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.0
さかなくんの半生を自伝的エッセイをもとに映画化。
のんがさかなクン⁉️と驚いたけどなるほど、これはぴったりな配役だったね🎵

冒頭のまるでタイトル画面のような「男か女はどっちでもいい」の言葉がこの映画を象徴している。いわゆる普通とか常識などの固定観念に囚われないという。でもそれは反逆的なものでなく受容によるもの。そしてその受容を体現しているのがミー坊の母親。常識や普通じゃない事で否定されるミー坊を擁護し温かく、しっかり芯を持って支えている。ミー坊がミー坊でいられるのは母親の存在があるからと言える。

好きなものを追求する事を単純に賞賛せず苦難を生み出すこともある事を、さかなクン演じるギョギョおじさんがもう一つのさかなクンの世界線、無職で変質者の扱いを受けてしまう、として示している。

ギョギョおじさんとミー坊の違いは何か、それは出会い関わった人物でありその事は偶然の要素が強いのだけれど、最初から関係が良かったわけでなくミー坊の分け隔てないコミュニケーションが生んだ必然とも言える。

ミー坊は魚が大好きだけどそれは見るだけでなく、食べる事も大好きで平気で魚を捌ける。一見矛盾に見えるかもだけど、これが現実でありそれを受容する事が人間を理解する事となり、後の他者との関係性を築いている。

しかしさかなクンを取り上げた映画でこんな考えるとは思っていなかったな💦
そういうわけで、楽しいだけじゃなく奥行きのある甘すぎず辛すぎない、皆様にオススメの良作です。
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