このレビューはネタバレを含みます
男か女かは、どっちでもいい
ど頭に投げかけられた言葉で、見る前に感じてた懸念が全部溶けてしまって一気に受け入れ体勢に入れる。
言葉選びのセンスとともに、これだけでもう、見て良かったってなってしまう。
とはいえ、この世界にうまく入れるかなと恐る恐る見ていると、突如さかなクン本人登場という強烈な惹き。
タコのくだりを経てからの、帽子を起点にのんに切り替わるに至って、ある種のファンタジー世界に段階を追って連れ込んでくれる。
見てる方の気持ちの一歩先を読んだ展開がめちゃくちゃうまくて、すごく楽しい。
ヤンキーパートはどのキャラも魅力的で
終始ニヤニヤしてしまう。
これ系にありがちな主人公全肯定で、ともすれば気持ち悪くなってしまいそうなところを、冷静な視線を持ってすごく上手いバランスですり抜けていくのも良い。
時に画面のほんの片隅であったり、笑いでくるんだりして。
さかなクンのような生き方は現実には難しくて。
でもそういう生き方をしているさかなクンが現実にいるじゃん、ていう希望を嫌味なく軽やかに伝えてくれる映画だった。
この空気感は他にはなかなか無い。
めちゃくちゃ面白かった。
さかなクンが机の中に魚を忍ばせてるのを聞いた総長が一言放った「なんで!?」
が、ツボった。
戸惑いと恐怖と人の良さが入り混じった大変良い一言だった。