タイトルの「さかなのこ」という意味がとてもよく分かる
さかなくんは、性別とかあらゆるものを超えた天然記念物のような生き物といった感じがする。純真無垢で、とにかく好きなものに真っ直ぐな所が本当に凄い。
物語性を持たせるため、変に現実味のある暗さだったり壁を作るのではなく、あくまでとにかく魚が大好きな人を明るく映し続けている、といった印象。
こんなに明るく、前向きなメッセージがストレートに伝わる邦画を久々に観た。
こんなに朗らかな邦画って近年ずーっと見ていなかった気がする。
好きなものに真っ直ぐ向き合えるという事はこんなにも尊くて素晴らしいんだと少し泣いてしまった。ここまで好きになれる物を見つけられる人はとても稀有な存在だと思う。
そして、その好きをずーっと突き詰めながら続けていられるのも才能だと思う。
社会的な常識などさかなクンにとっては本当に無意味な事で、現代にとって大事なテーマが沢山組み込まれている映画だと思う。
コメディー色も強く、タコを叩きつける場面は声を出して笑ってしまった。登場人物一人一人にもちゃんと個性があって面白い。
挿入歌がめちゃくちゃ良い曲で、なんだか凪のお暇の挿入歌に似てるな〜と思って調べてみたところ、同じバンドが作曲していて、尚且つそのバンドに元々たまのメンバーだったお二人が居る事にめちゃくちゃ驚いた。
ずっと天才なんだな〜とそこでも感動してしまった。
心が浄化されるめちゃくちゃ良い邦画だった、家族はつらいよの次に好きな邦画かもしれない。