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さかなのこの映画初心者のレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.5
沖田修一監督作品。「南極料理人」同様に能天気さがある作品でした。主演の「のんちゃん」の演技、BGMが良い作品でした。80、90分ほどの映画だったら良作。この題材で2時間15分は長いよね。

さかな君の自伝的な内容かと思えば、かなりファンタジックでそうで無い感じがしますね。能天気さが全開のBGM、そしてゆる~いのんちゃんの演技が良かった。全体的に能天気でポップだと良かったんですが、どうも真面目に作りすぎている感じがある。全編BGM鳴りまくりぐらいがちょうど良かったのでは?

中盤が1番好きかもですね。アシカショーに見とれてしまうシーンと歯医者のために水槽を準備するシーンが好きですね。前者は、画面の奥の方が主人公がわちゃわちゃしているのが良い。後者は歯医者との会話の雰囲気が良かった。前半のコメディチックさでは画面の彩度が低く、う~ん?と思ってましたが、中盤からはようやくハマってきた感じはありました。

この作品、色々とイマイチに思う部分が多い。まず、冒頭からじっくりタコを見せる。画面の彩度が低い。とても真面目な映画に思わせる。しかし、小学生や高校生の時代のほんわかした緩い感じとギャップがある。主人公達はポップなやり取りをしているのに画面彩度が低く、悪い意味でギャップがありました。もっと彩度を上げ、BGM鳴りまくり、テンポをもっと速めたら、主人公達のノリと同じになって良かったと思う。

また、コミカルなパートがイマイチ。フリが長すぎる、またはオチが長すぎたり、笑いで重要な間がイマイチ。例えば、飼おうとしていたタコを父親がぶち殺してしまうシーン。面白いですが、何度も何度もタコを殴る父親を描写していて、そこはさっと描いた方が面白い、ウケ狙いをしている感がありました。また、中盤の水族館の水槽に落ちる一連は、フリがありくるぞくるぞ...となっていましたが、オチが変に長くてまた白けてしまう。

お話の構成として時系列順ですが、子供時代と大人時代を対比的に描いているため、過去と現在で交互に描ければもっと良かったと思う。主人公はずっと能天気ですが、大人編では周りが脱子供化していき、そのギャップが描かれ、主人公の苦悩も描かれますが、全体的にやっぱり能天気なのであまり展開がどうでも良いと思ってしまった。

【総評】
80分ぐらいの作品だったら良かったなぁ。2時間15分で描くような作品なのか、かなり疑問でした。ほんわか能天気な作品で引っ張るには長すぎましたね。ところどころ良いぐらいで、おおっ!となるようなところが特に無かった。

追記:
ラストシーンは走るショットで終わりで良かった。最後はハコフグENDは収まりが良すぎるというか、それに至るまでが妙に長く、もちゃっとした終わり方でした。
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