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チャイルド・ブライド -売られる子供たち-のクリームのレビュー・感想・評価

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児童婚って、アフリカや中東の話かと思ったら、アメリカ。衝撃的な事実でした。2000年~2010年の間に推定24万8000人の子供が結婚させられている。
耳を疑う内容で、人権問題に厳しい国とは思えなかった。被害にあった人達が立ち上がり法改正を目指すドキュメンタリー。







ネタバレ↓





ほぼレイプ、妊娠、レイプで逮捕されない為の隠蔽工作としての結婚。婚姻届があれば、レイプにはならず、婚姻届は未成年の場合、親のサインのみで本人のサインは必要ない。
結婚してからDVの被害にあう少女がかなりの確率でいるらしいが、逃げ出してシェルターに駆け込んでも18歳以下は入れないと追い返されるのだとか。
そして、18歳以下は離婚の手続きも出来ない州が多く、その間に子供が出来て逃げられない状況に陥る。中には自殺に追い込まれる少女もいる。

以下は、この作品に出て来た証言者の話の一部。
·シェリー
レイプされ、9歳で妊娠、10歳で出産。11歳で20歳のその男と結婚させられた。男は教会の執事。学校、医者、判事、皆知っていたのにスルー。誰も助けてくれず、これが私の人生だと諦めるしかなかった。と語っていた。彼女はその男の間に6人の子供をもうけた。
·ドーン
継母がドーンの面倒を見る事を拒否、11歳で1人暮らしをさせられ、子守りとして男が雇われ、彼女はレイプされ、妊娠し13歳で結婚。彼女は男との間に2人の子供がいる。
·ドナ
母と対立し非行に走り、14歳で精神科に入院。その時の29歳のカウンセラーに妊娠させられ、16歳でこの男と結婚。娘が1人いたが、親権を取られた。
·リンジー
17歳の時に家族が養子に迎えた素行の悪い兄にレイプされ、大学の費用を出すと親に言われ結婚。この家は、宗教色が強く。母に色々相談しても、『酷い事が起こっても全て神の思し召し』だとか『祈ればいい』とか、言われます。妊娠した為、大学には行かせて貰えず、子供が2人。
4人は無事離婚し、現在は幸せを手に入れたが彼女達は、ほんの一握り。現在でもアメリカの48州では未だに児童婚が合法なまま で、18歳未満の結婚を禁じる法改正を目指しているが、実現したのはたった2州。ある州では正統派ユダヤ教会の反対にあい、別の州ではカトリック団体からの反対があった。そして、男性中心の議会で、議員はこの問題を『若い女の子の話だろう、そんなにおおごとか?』と他人事なのだそうです。人工妊娠中絶をめぐる話もそうだし、アメリカって時代に逆行している。恐ろしい事実を知る事の出来る作品でした。
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